ビルメンテナンス業務においてビルを快適にするため様々な法律が定められています。
建物・設備保全業務とは、建築基準法に基づき定期調査・検査を実施し、ビルや建物の長期的な保全を行う業務になります。
ビルや建物も長年すると設備機器も劣化や故障が生じ、これらを放置しておくと、水が出なくなったり漏れたり、電気がつかなくなったり、排水がつまるなど支障が出てきます。それらが漏水・火災・爆発などの大事故にも繋がる可能性があります。
また、入居しているテナントにも影響が出たりしますと収益にも多大な影響がでてきます。
良好な状態で維持・保全するために適時・適所なメンテナンスがとても大切な業務になってきます。
建物・設備保全業務には、建築士 、特殊建築物調査資格者 、建築設備検査資格者 、建築・設備総合管理技術者などの資格保有者が必要になります。
建築物定期検査とはビル・建物の構造や換気・排煙・非常照明等、建築設備の安全・衛生・避難について、建築基準法に基づく定期調査・検査を行なう業務です。また、法令などで決まっている報告書の作成や劣化などによる故障や故障発生予想箇所について補修計画なども検討します。
大切な資産であるビルや建物の価値を維持するためには、定期的かつ計画的な大規模補修工事が必要になってきます。
ビルや建物を調査し、長期修繕計画を作成することになります。修繕が実施される2年程前から具体的な計画を立てる必要があります。
また、資金計画に合せた修繕補修工事をタイムリーに行えるように綿密に計画するが必要があります。
ビルや建物などは月日を追うごとに老朽化していきます。ビルの老朽化にともない、設備の改修工事などを行う必要があります。 また、老朽化した箇所だけではなくすべての建築物の改装・改修を企画・設計から施工・管理までトータルに考える必要があります。
物理的寿命の延伸
設備機器には各々の耐久性(寿命)があります。従来の事後保全から故障の傾向を把握し、機能障害を未然に防止する予防保全を計画的に実施することにより寿命を伸ばします。
故障の低減
タイムリーな点検・修理・取替等により、故障を低減します。
安全性の向上
火災や停電・断水等の事故の発生が、点検・整備や補修・改修等を適切に行うことによりある程度防止でき、安全性が向上します。
環境の向上
設備機器等の点検や定期検査等の的確な実施と指摘事項の改善・是正により、各設備の向上が図られ、これらにより環境が向上します。
経費の節減
寿命の延伸や故障の低減等により、経費の節減が可能があります。
維持保全業務のとは、執務環境や安全衛生上、快適で安心して過ごせるように法律で定められた検査確認業務があります。
予防的な保全を全くせずに、故障が起きてから手を打つこともできますが、その場合は、建物の寿命が短くなりますし、テナントなどの入居者に致命的な損害を与えることもあります。
また、維持保全業務は広範囲にわたるため業務を適性に、かつ効率的に行うことが望まれています。
定期的保全業務
任意点検
法律に基づく点検ではなく、機能保持のために建物のグレードに応じて任意に定めた周期に点検する。例えば、屋根防水は雨漏りの原因となる症状が無いか、外壁タイルは亀裂が入って浮きが生じ、落下の危険性が無いか等を定期的に点検する業務です。
安全や健康に関わるものは建築基準法や消防法等で定期的な点検が義務付けられている。例えば、消防用設備は6ヶ月に1回は外観、機能、作動点検をしなければならないし、エレベターも年に1回は性能検査をしなければならない業務です。
保全の記録
建物の施設概要、設備機器の機種や性能、点検記録、光熱水費、修繕履歴等、維持保全に関わる固有情報は建物カルテとして記録し保存する業務です。
修繕費の経年変化等を分析し、維持保全の良否を判断したり、維持保全計画の見直しのツールとして活用する業務です。
ビルや建物も長年すると経年劣化により所要の機能・性能が低下します。目に見える劣化もあれば、多岐に渡る設備のため見えない劣化などもあります。
耐用年数がくる前に各部位の劣化状況を本格的に調査して、修繕処置の可否や修繕方法等を検討するための診断が必要となります。
物理的劣化の診断
物理的な劣化とは、設備には必ず耐用年数というものがあり、稼働時間等が許容限度をオーバーすることにより起こる劣化です。
消耗・疲労・腐食等を起こし、所要の機能・性能が維持できなくなる状態をいいます。
耐用年数は各部位毎に定められていますので、できるだけ早めの診断をおこなって次の対策を講じることが望まれています。
社会的劣化の診断
社会的な劣化とは、新築時に設定された機能・性能の要求水準が時代の変化に対応できず陳腐化して使用できなくなった状態をいいます。
社会的劣化として、IT化等の通信技術革新によるものや省エネ化や耐震化等の法的規制によるものや、地球温暖化・少子高齢化等の社会環境や価値観の変化によるものが考えられます。
・安全診断
・耐震性診断
・省エネルギー診断
・機能診断
などがあり、腐化を解消するため、機能向上・機能変更・用途変更に対応できる方策について診断されます。