清掃管理業務とは雨や風、行きかう人々の動きにより、ビルや建物の内外に様々な汚れが発生します。
それらを計画的に清掃し、ビルや建物の美観を向上させ、建物を保護・保全し、良好で衛生的な環境を確保する業務です。
最近の清掃業務において「事後清掃」から「予防清掃」に変わってきています。
ビルや建物内に汚れを持ち込ませない清掃や、汚れる前に処置したりなど定常的に美観・衛生を保ち維持する清掃方法です。
また、環境への配慮として洗浄作業を排除したドライ方式は現在のビルにふさわしい清掃方法となっています。 最近の清掃管理業務は、単純な清掃作業の積み重ねではなく専門的な知識と技術と管理能力が要求されるようになりました。
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弾性床材(Pタイルや塩ビ系の床材)の清掃・メンテナンスには、「ウェット方式」と「ドライ方式」があります。
●「ウェット方式」とは、通常の表面洗浄と剥離洗浄の作業法を差し、月1回の表面洗浄(洗剤とポリシャーで床表面を洗い、ワックスを塗布する。)と、半年〜1年おきの剥離洗浄(表面のワックス層を完全に除去し、新規にワックス層を形成させる。)による作業法です。
●「ドライ方式」とは、ウェット方式での定期的な表面洗浄や剥離洗浄を不要にする為に生まれた作業法で、作業時間の短縮や安全性、ランニングコスト削減のメリットがあります。
なお、高濃度ワックスの固い皮膜を形成するので輝くほどの光沢と美観が得られ、業界のデファクトスタンダードになりつつあります。
反面、ドライ方式のデメリットとしては、初期の作業段階で何層ものワックス皮膜を形成させるまでの作業に非常に手間がかかり、専用の機材と高度な技術を要します。一旦強固なワックス層が完成すれば、非常に日常のメンテナンスが容易なのですが、それまでのプロセスにおいて床の使用制限や時間的な制約も生じてきます。通行人や時間制約のある店舗などでは作業員への負担が多くなります。また、ワックス層の完全剥離も強固な皮膜のため困難です。
【ドライメンテナンスの作業法】
1. まず、既存のワックス層を剥離洗浄により完全に除去します。
2. ウレタン系高濃度樹脂ワックスを使用し、4〜5層の皮膜をつくります。
3. その後、1日に1〜2回ほどのサイクルで、高速バフマシンによるバフィング作業を行います。(バフィング作業とは、バフマシンに専用の目の細かいパッドを装着し、床ワックス表面を熱により皮膜の密着度を高め、ワックスの硬度や光沢を増すための作業です。)
4. 約1ヶ月くらいの期間、高濃度樹脂ワックスを数枚塗布し、翌日以降バフィング作業を行い、数日後にまたワックス塗布をし翌日以降にバフィング作業というように、連続してワックス塗布とバフィングの繰り返しでワックスの強固な初期皮膜を形成させていきます。
5. ワックスとバフィングの繰り返しのサイクルを徐々に広げていき、3ヶ月〜半年くらいこの作業を継続することにより、完全な固いワックス皮膜の形成と豊かな光沢が得られます。
6. 完全なワックス皮膜が形成された後の日常作業としては、バフマシンを使用したスプレーバフ作業を行います。(スプレーバフ作業とは、バフマシンに専用の目の細かいパッドを装着し、スプレーで水や専用洗剤を床に吹きかけながらバフマシンを回していき、表面の汚れの除去と磨き直しを行う作業です。)
7. 初期皮膜が形成されているので、ヒールマークが通常つきにくく、汚れも固着しずらくなっていますが、汚れや傷がワックス内部に入り込んでいる場合には、少し目の荒い赤〜青パッドを使い、バフィングを行います。これによりワックス層が数層削れるので、その後また高濃度樹脂ワックスを数枚塗布しバフィングにより皮膜の形成を行います。
8. それでも汚れが固着して美観が復元できない場合には、再度完全剥離洗浄を行い、始めの基礎皮膜の形成から改めて行います。
9. ドライメンテナンス法は清掃管理における「予防清掃」という概念に基づいており、日頃から汚れを持込まない、汚れたらすぐ除去するという日常管理が重要で、玄関マットや除塵マットなどを設置し、日常の細めなメンテナンスを心掛けるようにします。