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マンション管理組合のための会計学

管理組合会計は予算準拠主義

管理組合会計は予算準拠主義

管理組合の財務会計における予算の必要性

マンションの管理組合は、一般的な会社のように資本金を他人から集めて、利益を得ることはしません。組合員が納めた管理費や修繕積立金で、マンションの維持管理や管理組合の運営に必要な各種の支払いのために使用します。

管理組合会計

管理費は管理のための支払に充てるためのもので、支払後の余ったお金を何かに使おうというわけではありません。

管理組合では、このようにマンションの維持管理のため必要となる各種業務を行うための支出を限られた管理費の中でやりくりしていくことが必要となるため、お金の使い方を管理することが大変重要になります。

管理組合員がいくら管理費や修繕積立金を納めればよいのかは、必要な業務を行うため支払わなければならない金額がどのくらいになるかになるかで決まります。

管理費による管理組合員の負担を軽くし、支払いの金額を抑えることが必要です。このお金を管理するため「予算」が必要になります。

管理組合の予算は、管理組合の運営計画(事業計画)に基づいて作成されます。
したがって、1年間の管理組合としての運営計画を作成し、その計画を予算に反映させることになります。
このような、予算を使ってお金を管理するという考え方を「予算準拠主義」といいます。

一般会計と特別会計

一般会計と特別会計

一般会計

一般会計とは、建物の共用部分・敷地・附属施設の日常的な管理を行う費用に当てるために徴収される費用、つまり普通「管理費」と呼ばれている費用に関する会計です。

特別会計

特別修繕費用などの一定期間ごと、あるいは長期的な計画修繕としての大規模修繕、不測の事故による特別修繕のための準備金としての積立金は、一般会計とは区分された別個の会計とされ、これを特別会計といいます。

管理費や修繕積立金の負担義務者は?

区分所有法19条に「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生じる利益を収取する」と規定されていることから、管理費や修繕積立金の負担義務は、法律上区分所有者にあります。

・売れ残り住戸の管理費負担者は、売主の分譲業者にあります。この場合は分譲業者が区分所有者の地位にあるからです。

・賃借人は、区分所有者ではないので法律上負担義務はありませんが、大家である区分所有者の管理費等の滞納金を賃借人に請求はできません。

予算を作るには?

1、事業計画とともに管理組合の総会および理事会で承認を得る。

予算を作るには長期修繕計画に従って1年間の事業計画を決定し、これに掲げた業務について、どのくらいの支出で実施できるかを検討します。

2、管理者に対して、収支予算書の範囲内で支出の執行権限が付与される

予算が承認されると、日常の一つ一つの支払いを行うにあたって、予算に盛り込まれた項目であれば理事会にはからずに支出してもよいことになります。

管理組合全体として実施する事業およびその規模が資金源の収支として明確化され、会計年度中における事業計画の遂行状況を把握することが可能になります。このため管理組合では収支予算は必ず制作する必要があります。予算は決算と対比して、その差異を分析することにより予算どおりに効率よくお金を使うことができたのか(予算執行の良否)予算どおりにお金を使わなかった場合は、誰がそんな風にお金を使うのかを指示したのかを調べられるというメリットもあります。事業計画の達成状況を評価して時期予算編成の参考とし、収支のバランスを考えて必要な措置を図ることが可能となるのです。

予算の作り方

一般的な予算を作る流れ

1、事業計画の概要および予算作成の方針決定

ここでは、おおまかに収入および支出を前年並みとみるのか、それとも支出は前期よりも削減するのかなどの方針を、前期までの事業計画書の実施状況や元手になるお金の残高などの各要因を分析して決定します。

2、会計区分ごとに事業計画および収支予算案を作成。

管理組合会計には管理費会計(一般会計)と修繕積立金会計(特別会計)が存在するため、各々について事業計画および収支予算案を作成する。

3、理事会、総会において事業計画および収支予算案を承認

標準管理規約48条、第54条で定められたとおりに、理事会および総会で事業計画および収支予算案が承認されることが必要。

予算の編成

本来は、会計年度の開始前に予算を確定・承認すべきですが、実際は、会計年度終了2〜3ヶ月後に開催される定期総会で、収支報告と予算が承認されるのが一般的です。

収入については、毎月の管理費・修繕積立金・使用料収入を12倍した金額となります。これに設備使用料・受取利息・その他雑収入が加わります。
支出は、毎期経常的に支出されるものが大半ですから、前年度の予算執行状況をもとに予測をします。その中で、特別な要因で支出された金額を把握しておき、当年度の特別な要因を想定します。方法としては、管理業者に当年度の見積り提出を求めるほか、区分所有者へ改善要望などのアンケートを取るなどして、検討していくことになるでしょう。
ただ実際の作成は、委託している管理業者がすべて行い、それを理事会および総会でそのまま承認することが多いと思います。その場合、役所のように実績&計画ベースの硬直化した予算になりがちです。

予備費

1年間に予期しない支出を余儀なくされることを想定して、予備費として流動的に利用できる科目を設定しておくと緊急時の対応がスムーズに運びます。

予備費を予算に計上しておくと予想外の支出が発生した場合、臨時総会を開催して収支予算の修正案について承認を得る必要がなく予備費の範囲で支出ができます。ところが裏を返せば、予備費の予算計上額までは、総会の承認無しに理事会の承認より支出が可能であるため不適切な支出が発生する可能性もはらんでします。

予算上、予備費を計上する場合には、次の点に留意することが望まれます。

1、予備費ではなく具体的な支出項目で予算計上する。

2、発生金額が正確に見積もれない場合には、ある程度の概算計上を行う。(たとえば前期実績の10%増しにする。前期実績に○○○千円加えるなど)

3、予備費の予算はその他支出項目の予算金額合計の数%程度(2〜3%程度)の範囲内で計上するなど必要最低限にとどめる。

 収支予算が存在しない期間について

ほとんどの管理組合では、新しい会計年度が始まった後に開催される通常総会で、今年度(当期)の収支決算報告と次の年度(翌期)の収支予算案が一緒に承認されていますが承認されるまで、現実には承認された収支予算案が存在しない空白時期が存在することになり、組合運営上、支障をきたすことになります。

通常総会に先駆けて今年度のうちに臨時総会を召集して、次の年度の収支予算案の承認を得た上で、今年の会計年度が終わったら、さらに通常総会を開催して本収支予算を決めることが理論的には正しいと考えられますが、この方法は組合員の皆さんの便宜を考えると必ずしも最善策とはいえません。

そこで臨時総会を開催せずに、収支予算が存在しない空白期間を生じさせない方法としては

1、通常総会で今年度の収支予算を確定させる際、来年度の本予算が確定されるまでの暫定予算についても同時に承認を得る。

2、通常総会で今年度の収支予算を確定させる際、来年度の暫定予算についての承認を一定期間および一定金額の範囲で理事会に一任することに関して承認を得る。

 予算の補正・修正

※問題意識を持って危機管理

トラブルの規模や緊急度、必要となる変更額などによって対処方法は異なりますが「緊急対応マニュアル」のような一定ルールを細則として作成しておくと動的な措置がとりやすくなります。

1、予算の補正

予算計上額と実績計上された金額に著しい開きが生じてしまう場合には収支予算そのものを手直しして新たな収支予算を作成し、これを理事会および臨時総会で承認することが必要と考えられます。

2、予算の修正

あらかじめ定めた方法により、予備費の予算を流用して実績金額に一致させることをいいます。具体的には、予備費の予算の一部を減額して、これを予算超過している科目の予算金額に加えてこの科目の予算と実績が一致するようにしたうえで資金収支計算書にその旨を注記して予算の修正を行った事を表示します。

管理費収入会計と修繕積立金会計が分離されていないと、どのような不都合が予想されるか?

各会計年度の管理費収入でバランスをとるべき管理費会計と、将来のために資金を積み立てる目的会計が分離していないと、管理費会計が赤字であった場合に、管理費会計の赤字補填に修繕積立金会計から穴埋めすることになりかねません。
その結果、会計年度全体では収支のバランスが取れているように見えても、将来実施すべき大規模修繕工事のための資金不足が発生することに繋がってしまいます。

一般会計と特別会計に別けて管理します。

管理費会計に余剰金が生じた場合、資金残高の一部を修繕積立金に振り替えできるのか?

総会の決議で管理費会計の余剰資金を一部を修繕積立金会計に振り替えることは可能です。
一般的には、修繕積立金の繰越収支差額だけでは大規模修繕工事代金を賄うことができないことが多いので、将来の大規模修繕の原資の充実に資するものと考えられるからです。

※管理費会計の繰越金(余剰資金)の処理については、次期に繰り越すのが一般的です。
しかし、繰越金(余剰資金)を組合員に分配する場合や、修繕積立金に振り替える場合には、「剰余金処分案」の作成が必要です。

管理費会計の資金に不足が生じたら、修繕積立金会計の余剰資金を管理費会計へ振り替えられか?

管理費会計と修繕積立金会計を区分する趣旨に反するので、原則として認められません。

将来実施しなければならない大規模修繕の代金支払いのため積み立てておくべき資金が不足してしまう恐れがあるからです。

駐車場や駐輪場の使用料はどう取り扱われるか?

基本的には、駐車場などの使用料の使途については、管理規約で任意に定めることができます。
しかし、一般的には、修繕積立金の充実を図る観点から、修繕積立金として積み立てることが望ましいとされています。

標準管理規約29条

駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、管理規約において別段の定めがある場合を除いて、修繕積立金として積み立てます。

 

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