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管理会社担当者は「委任状さえあれば」と思っています

区分所有法で規定された議決の要件

マンションの管理組合による自主的なマンションの環境作り

マンションの管理組合は、民主主義の原則にしたがって運営されるよう法規制されています。
区分所有法しかり、標準管理規約しかりです。
民主主義はもともと、専制君主など一部の権力者が統治を恣にすることを防ぐために生まれた歴史上の産物といえます。したがって民主主義は、法治主義とそれにともなう行政法などの手続法とともに発展してきた思想です。
日本では海外から移入された思想と制度にすぎず、上からの民主主義ともいわれ、日本の伝統的な思惟から生まれたものではありません。民主主義に不可欠な多数決でさえも、実は慣習的になじみあるものとはいいがたいのが実情です。タテ社会日本では、会議は事前に根回しをして、全員一致で議決することが良しとされるようです。
ただ、理事長=管理組合でないのは当たり前ですし、理事会=管理組合でないのもいうまでもありません。ましてや、管理会社=管理組合なんかじゃありえません。

民主主義的な組合運営というのは、それなりに時間と労力が掛かるものです。議案作りから、議案の発送など、役員が自分たちだけで完結するには、その責任と見返りから考えると負担の大きいものとなります。ついつい、手続きを省略したり、管理会社におんぶに抱っこでまかせっきりとなってしまいがちです。総会の議案をチェック無しで管理会社にまかせっきりですと、すべての議案について管理会社の都合に合わせたニュアンスに書き換えられてしまいます。

管理会社の担当者いわく、「委任状さえ取れれば大丈夫さ。」ということになってしまいます。
管理組合は、管理会社の手玉に取られないよう注意しないといけません。

以下に、普通決議と特別決議の概要についてまとめてみました。大変だなとうんざりしないで、必要な手続きをひとつずつ処理する心構えが必要です。

普通決議と特別決議の概要

 

普通決議事項 総会出席者の2分の1以上

●マンション管理組合総会における各議案の定足数について

総会成立 普通決議

議決権数の

1/2以上

総会出席者の

1/2以上

※ マンション標準管理規約では出席者の1/2以上となっていますが、区分所有法第39条(議事)※1. によると普通決議の定足数は区分所有者数および議決権数の1/2以上となっています。ただし、「法律または規約に別段の定めがない限り」となっており、普通決議の定足数はマンションの状況に応じて、マンション管理規約で別段の定めをすることができます。

 

●普通決議事項

  • 収支決算報告と事業報告の承認
  • 予算と事業計画の承認
  • 理事・監事の選任または解任
  • 管理会社の変更
  • 管理業務の委託契約等の更新や変更
  • 管理費等の金額の決定や変更(規約に金額が定めてある場合は規約の変更になるので4分の3以上)
  • 使用細則の制定および変更や廃止

 

特別決議事項 区分所有者数および議決権数の4分の3以上

特に重要な事項については特別決議事項となり、区分所有者数および議決権数の4分の3以上の賛成で可決します。

  • 共用部分の変更(区分所有法第17条第1項)※2
    ※その形状または効用の著しい変更を伴わないものは除く。
    ※この決議は、規約により、その要件を過半数まで暖和できる。
  • 共用に属する敷地または附属施設の変更(区分所有法第21条)※3
  • 管理規約の制定・改廃(区分所有法第31条)※4
  • 管理組合の法人化(区分所有法第47条第1項)※5
  • 管理組合法人の解散(区分所有法第55条)※6
  • 専有部分の使用禁止請求(区分所有法第58条)※7
  • 専有者に対する引渡し請求(区分所有法第60条第2項)※8
  • 建物の一部が滅失した場合の共用部分の復旧(区分所有法第61条第5項)※9

 

●特別決議事項

  • マンション管理規約の変更や廃止
  • 管理組合法人の設立および解散
  • 共用部分の形や機能の変更
  • 共用部分の敷地や付属施設の変更
  • 義務違反者に対する専有部分の使用禁止および住戸の競売請求
  • 義務違反の専有者に対する契約解除と引き渡しの請求
  • 建物の価格の2分の1を超える大規模な損失の復旧

 

特別決議事項(建物の立替えの場合) 区分所有者数および議決権数の5分の4以上

  • 建替え決議(区分所有法第62条)※10
  • 団地内の建物一括立替え(区分所有法第70条)※11
    ※各建物ごとに、その区分所有者および議決権の3分の2以上の賛成がともに必要。

平成13年1月31日 神戸地方裁判所 複数戸所有する区分所有者数の議決権数 >>判例解説

理事会での決定事項と役割にについて

理事会の役割は、規約で別に定める事項のほかに、以下の事項が決議できます。

(改正標準管理規約参照)

  • 収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画案
  • 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する案
  • 長期修繕計画の作成又は変更に関する案
  • その他総会に提出する議案
  • 専有部分の模様替え等の修繕等の承認又は不承認
  • 賃貸者や同居人といった専有部分の専有者の共同生活秩序を乱 す行為に対する勧告又は指示等
  • 総会から付託された事項

(議事)

第39条

1.集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する。

2.議決権は、書面で、又は代理人によつて行使することができる。

3.区分所有者は、規約又は集会の決議により、前項の規定による書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)によつて議決権を行使することができる。

集会の議事

 

(共用部分の変更)
第17条
1.共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。
2.前項の場合において、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。

共用部分の変更

 

(共用部分に関する規定の準用)
第21条
1.建物の敷地又は共用部分以外の附属施設(これらに関する権利を含む。)が区分所有者の共有に属する場合には、第十七条から第十九条までの規定は、その敷地又は附属施設に準用する。

共用部分に関する規定の準用

 

(規約の設定、変更及び廃止)
第31条
1.規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
2.前条第二項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。

規約の設定、変更及び廃止

 

(成立等)
第47条
1.第三条に規定する団体は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによつて法人となる。

成立等

 

(解散)
第55条
1.管理組合法人は、次の事由によつて解散する。
・建物(一部共用部分を共用すべき区分所有者で構成する管理組合法人にあつては、その共用部分)の全部の滅失
・建物に専有部分がなくなつたこと。
・集会の決議
2.前項第三号の決議は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数でする。

解散

 

(使用禁止の請求)
第58条
1.前条第一項に規定する場合において、第六条第一項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、前条第一項に規定する請求によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、相当の期間の当該行為に係る区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求することができる。
2.前項の決議は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数でする。
3.第一項の決議をするには、あらかじめ、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与えなければならない。
4.前条第三項の規定は、第一項の訴えの提起に準用する。

使用禁止の請求

 

(専有者に対する引渡し請求)
第60条
1.第五十七条第四項に規定する場合において、第六条第三項において準用する同条第一項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る専有者が専有する専有部分の使用又は収益を目的とする契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求することができる。

専有者に対する引渡し請求

 

(建物の一部が滅失した場合の復旧等)
第六十一条
5.第一項本文に規定する場合を除いて、建物の一部が滅失したときは、集会において、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数で、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができる。

建物の一部が滅失した場合の復旧等

 

(建替え決議)
第62条
1.集会においては、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。
2.建替え決議においては、次の事項を定めなければならない。
・新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要
・建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額
・前号に規定する費用の分担に関する事項
・再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
3.前項第三号及び第四号の事項は、各区分所有者の衡平を害しないように定めなければならない。
4.第一項に規定する決議事項を会議の目的とする集会を招集するときは、第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
5.前項に規定する場合において、第三十五条第一項の通知をするときは、同条第五項に規定する議案の要領のほか、次の事項をも通知しなければならない。
・建替えを必要とする理由
・建物の建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持又は回復(建物が通常有すべき効用の確保を含む。)をするのに要する費用の額及びその内訳
・建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容
・建物につき修繕積立金として積み立てられている金額
6.第四項の集会を招集した者は、当該集会の会日より少なくとも一月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について区分所有者に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。
7.第三十五条第一項から第四項まで及び第三十六条の規定は、前項の説明会の開催について準用する。この場合において、第三十五条第一項ただし書中「伸縮する」とあるのは、「伸長する」と読み替えるものとする。
8.前条第六項の規定は、建替え決議をした集会の議事録について準用する。

建替え決議

 

(団地内の建物の一括建替え決議)

第70条

1.団地内建物の全部が専有部分のある建物であり、かつ、当該団地内建物の敷地(団地内建物が所在する土地及び第五条第一項の規定により団地内建物の敷地とされた土地をいい、これに関する権利を含む。以下この項及び次項において同じ。)が当該団地内建物の区分所有者の共有に属する場合において、当該団地内建物について第六十八条第一項(第一号を除く。)の規定により第六十六条において準用する第三十条第一項の規約が定められているときは、第六十二条第一項の規定にかかわらず、当該団地内建物の敷地の共有者である当該団地内建物の区分所有者で構成される第六十五条に規定する団体又は団地管理組合法人の集会において、当該団地内建物の区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、当該団地内建物につき一括して、その全部を取り壊し、かつ、当該団地内建物の敷地(これに関する権利を除く。以下この項において同じ。)若しくはその一部の土地又は当該団地内建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地(第三項第一号においてこれらの土地を「再建団地内敷地」という。)に新たに建物を建築する旨の決議(以下この条において「一括建替え決議」という。)をすることができる。ただし、当該集会において、当該各団地内建物ごとに、それぞれその区分所有者の三分の二以上の者であつて第三十八条に規定する議決権の合計の三分の二以上の議決権を有するものがその一括建替え決議に賛成した場合でなければならない。
2.前条第二項の規定は、前項本文の各区分所有者の議決権について準用する。この場合において、前条第二項中「当該特定建物の所在する土地(これに関する権利を含む。)」とあるのは、「当該団地内建物の敷地」と読み替えるものとする。
3.団地内建物の一括建替え決議においては、次の事項を定めなければならない。
・再建団地内敷地の一体的な利用についての計画の概要
・新たに建築する建物(以下この項において「再建団地内建物」という。)の設計の概要
・団地内建物の全部の取壊し及び再建団地内建物の建築に要する費用の概算額
・前号に規定する費用の分担に関する事項
・再建団地内建物の区分所有権の帰属に関する事項
4.第六十二条第三項から第八項まで、第六十三条及び第六十四条の規定は、団地内建物の一括建替え決議について準用する。この場合において、第六十二条第三項中「前項第三号及び第四号」とあるのは「第七十条第三項第四号及び第五号」と、同条第四項中「第一項に規定する」とあるのは「第七十条第一項に規定する」と、「第三十五条第一項」とあるのは「第六十六条において準用する第三十五条第一項」と、「規約」とあるのは「第六十六条において準用する第三十条第一項の規約」と、同条第五項中「第三十五条第一項」とあるのは「第六十六条において準用する第三十五条第一項」と、同条第七項中「第三十五条第一項から第四項まで及び第三十六条」とあるのは「第六十六条において準用する第三十五条第一項から第四項まで及び第三十六条」と、「第三十五条第一項ただし書」とあるのは「第六十六条において準用する第三十五条第一項ただし書」と、同条第八項中「前条第六項」とあるのは「第六十一条第六項」と読み替えるものとする。

団地内の建物の一括建替え決議

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