「自動火災報知機設備」は、受信機、感知器、地区音響装置、中継器、表示灯などで構成されています。
受信機は、感知器や発信機から発信される信号を受信し、火災表示・地区音響の鳴動を行う装置です。受信機の種別によってP型とR型に分類されていま す。従来から小規模〜中規模建物に使用されています。
P型受信機は、警戒区域の数に応じた配線数が必要になるため、大規模なシステムになると配線数が非常に多くなり、施工が煩雑になります。
警戒区域の数だけ電線があるため、火災時に電線が切断・溶断した場合、その警戒区域が火災であると判断することができるため、電線はAEケーブルを使用することできます。
R型受信機は、感知器の信号を中継器経由で伝送するため、通信ラインとして数本の電線を敷設するだけで済みます。しかし、P型受信機よりも高度なシステムを使用しているため、データ設定などに諸費用が必要になります。
また、電線が渡り配線となっているため、電線の切断や溶断を火災と判断することができないため、電線は火災時でも切れないような措置が必要になります。よって、HPケーブルを使用する必要があります。
受信機は、常時人が居る警備室・守衛室・管理室などに設置するのが原則です。中央管理室や防災センターがある建築物の場合は、当該室に設置します。
P型受信機は、警戒区域を示す表示窓を持っており、1級・2級・3級火災受信機に分類されます。R型受信機はCRTやLCDモニタによって警戒区域 を順次表示するため、大規模になっても表示部の大きさは変わりません。小規模から中規模の建築物にはP型受信機が採用され、大規模の建築物にはR型受信機 が採用される、というのが一般的です。
P型受信機は警戒区域が多くなるほど配線数が多くなるため、200回線程度を上限と考え、それ以上の規模となる場合はR型受信機としたほうが、経済的と思われます。
また、火災受信機にはガス漏れ警報機能を併設することが可能で、ガス漏れ警報機能を持った受信機はGP型受信機、またはGR型受信機と呼ばれます。建築基準法上の防排煙設備の連動を行うことができる受信機は、複合受信機と呼ばれています。