>>問1〜10 >>問11〜20 >>問21〜30 >>問31〜40 >>問41〜50 >>記述式試験問題
※ 出題当時以後の法令等の改正には対応していません。
【問 1】 消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.所有権は時効によって消滅することはないが、所有権に基づく物権的請求権は、その名称からも明らかなとおり、その法的性質が請求権であることから消滅時効の対象となる。
2.占有訴権は、その名称にもかかわらず、実体法である民法上の権利であって、その法的性質は請求権であることから消滅時効の対象となる。
3.地役権は、他人の土地を自分の土地の便益のために利用する権利であるから、その利用の必要性がある限り存続し、消滅時効の対象となることはない。
4.抵当権は、債務者及び抵当権設定者以外の者との関係では、被担保債権とは異別に消滅時効の対象となるが、債務者及び抵当権設定者との関係では、被担保債権に従属する権利であるから、被担保債権が存続する限り存続し、被担保債権と異別に消滅時効の対象となることはない。
【問 2】 不当利得に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.不当利得が成立するには、他人の財産又は労務によって利益を受けたことが必要とされるが、これには、本来生ずるはずであった財産の減少を免れた場合は含まれない。
2.不当利得が成立するには、一方に法律上の原因のない利得があり、他方にこれに対応する損失がなければならない。
3.不当利得が成立すると、受益者は損失者に不当利得返還の義務が生ずるが、返還の方法は現物返還に限られず、価格返還でも差し支えない。
4.不当利得が成立すると、受益者が受益の時点で悪意である場合はもちろん、善意である場合であっても、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。
【問 3】 相隣関係に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に出るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行する権利を有していて、必要があれば、通行地に通路を開設することができるが、通行地の損害について償金を支払わなければならず、償金の支払いを怠った場合には、通行権は消滅する。
2.土地の所有者は、隣地の竹木の根が境界線を越えて自分の所有地に進入してきた場合、その竹木の所有者に、その根を切り取らせることしかできないが、隣地の竹木の枝が境界線を越えて、自分の所有地に進入してきた場合には、自分で、その枝を切り取ることができる。
3.土地の所有者は、隣地との境界又はその付近で障壁又は建物を築造又は修繕するために、隣人の住家に立ち入ることを必要とする場合、その隣人の承諾を得なければならず、隣人の承諾が得られない場合には、裁判所で承諾に代わる判決を得て立ち入ることができる。
4.土地の所有者は、その地上に所有する建物の窓、縁側又はベランダが、住宅のある隣接宅地との境界線から1メートル未満の距離にあって、その宅地を観望することができる場合、目隠しを設置しなければならない。
【問 4】 賃貸借に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤ってい
るものはどれか。
1.賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失した場合、賃借人は、その滅失部分割合に応じて借賃の減額請求をすることができ、残存部分のみでは賃借目的を達することができなければ、賃貸借契約の解除をすることができる。
2.賃借物について修繕の必要がある場合、又は他に権利を主張する者がいる場合であって、賃貸人がそのことを知らない場合には、賃借人は、遅滞なく、その事実を賃貸人に通知しなければならない。
3.賃貸人の承諾を得てなされた転貸借における転借人は、賃貸人と賃借人との間における賃貸借が合意解除により消滅した場合、そのことに基づく賃貸人からの目的物の返還請求を拒否することができない。
4.賃借人の死亡により賃借権が共同相続された場合における賃料支払い債務は、可分債務ではなく不可分債務であって、その相続人は、賃借人として、各自、賃貸人に対して、約定賃料全額の支払い義務を負担する。
【問 5】 請負と委任との異同に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.請負契約と委任契約は、いずれも、役務の提供に関する契約であって、当事者間の信頼関係に基礎づけられているので、請負契約における請負人が注文者から請け負った仕事を自分で完成させずに第三者に請け負わせ、委任契約における受任者が委任者から委託された事務を自分で処理せずに第三者に委託させることは、当事者間の信頼関係を損なう行為として法律上認められない。
2.請負契約と委任契約は、いずれも、役務の提供に関する契約であって、役務の提供には費用を必要とすることから、請負契約における請負人は、注文者に対し、請け負った仕事を完成させるのに必要な費用の前払いを請求することができ、委任契約における受任者は、委任者に対し、委任された事務を処理するのに必要な費用の前払いを請求することができる。
3.請負契約と委任契約は、いずれも、他人に役務を提供させる契約であるので、請負契約における注文者は、請負人に対し、仕事の完成するまでの間、いつでも、仕事について指図を与えることができ、委任契約における委任者は、受任者に対し、委任事務の終了するまでの間、いつでも委任事務の処理状況について報告を求めることができる。
4.請負契約と委任契約は、いずれも、他人に役務を提供させる契約であるので、請負契約における注文者は、請負人が仕事を開始するまでの間に限って契約を解除することができ、委任契約における委任者は、受任者が委任事務を開始するまでの間に限って契約を解除することができる。
【問 6】 区分所有管理士の制度、役割に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1.区分所有管理士は、マンション管理業界を中心的に担う専門家として位置づけられている。
2.区分所有管理士は、マンション管理に関する多様なニーズに応える業務を総合的にマネジメントするゼネラリストである。
3.区分所有管理士は、その関与するマンションの区分所有権創設計画及び管理計画の立案を担当する。
4.区分所有管理士の制度は、(社)マンション管理業協会(旧:社団法人高層住宅管理業協会 平成25年4月1日に名称変更)が創設し、運営する自主認定資格制度である。
【問 7】 民事訴訟法(平成8年法律第109号。以下同じ。)の規定によれば、少額訴訟手続に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.少額訴訟手続の判決に対する不服申立ては、異議の申立てもしくは控訴ができる。
2.少額訴訟手続は、地方裁判所もしくは簡易裁判所に申立てることができる。
3.被告は、訴訟手続を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。
4.少額訴訟手続きは、原則として、2回の口頭弁論期日で審理を完了しなければならない。
【問 8】 民事訴訟法に定める督促手続について正しいものはどれか。
1.支払督促の申立ては、簡易裁判所の裁判官に対してする。
2.支払督促は、債務者を審尋して発する。
3.仮執行の宣言を付した支払督促の送達を受けた日から10日間の不変期間を経過したときは、債務者は督促異議の申立てをすることができない。
4.支払督促の効力は、債務者に送達された時に生ずる。
【問 9】 不動産登記法(平成16年法第123号)に定める仮登記について、誤っい
るものはどれか。
1.仮登記とは、登記をするための手続要件又は実体的要件が具備されないとき、将来なされるべき登記の順位をあらかじめ保全するための登記をいう。
2.裁判所は、仮登記権利者の申立てにより、仮登記の原因となる事実が疎明された場合、仮登記を命ずる処分をすることができる。
3.仮登記に基づいて本登記をした場合は、当該本登記の順位は、当該仮登記の順位による。
4.所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾がなくとも申請することができる場合がある。
【問 10】 管理組合法人の登記について誤っているものはどれか。
1.登記事項である管理組合法人の名称は、必ず管理組合法人という文字を用いなければならない。
2.事務所の設置年月日は、登記事項ではない。
3.代表権を有する者(理事)の氏名、住所は登記事項である。
4.管理組合法人は設立に必要な手続が終了した日から20日以内に登記しなければならない。